伊豆で楽しめる多様な地形を生かしたダイビング

伊豆ではその多様な地形を活かして、様々なスタイルのダイビングを楽しむことができます。今回は、伊豆の特長的な地形を生かしたダイビングについて考えてみたいと思います。

伊豆が多様な地形であることのメリット

伊豆の地形が多様でダイナミックな理由はその生い立ちにあります。

伊豆半島はもともと火山が集まって出来た火山群島でした。そのため伊豆の海の地形も、もともとの火山活動の名残りでダイナミックな地形を有しています。つまり、火山の噴火によって多くの土砂が噴出されたり、溶岩が流出したり、山が形成されたことにより、なだらかな海岸線から急峻な海岸線まで、多くの様々な異なった地形が生まれたのです。
 
 
ダイナミックということは、同じような海が少ないということであり、ダイビングのスタイルも多様になります。

浅瀬になっているところでダイビングすることも出来ますし、少し深いところでダイビングをしたり、陸に近いところで海流が当たる場所でダイビングをしたり、あるいはボートで沖合いの島に渡るということも可能です。

何より大切なことは、伊豆のダイビングでは、比較的陸に近いところから海が深くなっていく場所もあるということ。
 
 
ずっと浅瀬だと大きな魚はいませんし同じような魚しか見ることができません。実は深さがないので泳ぎにくかったり、水の透明度が落ちたりすることもあります。浅瀬のほうがダイビングがしにくい場合もあるのです。
 
 
逆に深すぎると魚影は少なくなり、また水圧の関係からダイビングができません。
 

ちょうど良い深さの場所がダイビングには必要なのです。ダイビングにとっての重要なポイントは、そのちょうど良い深さの場所に簡単に行けるかどうかなのです。

 
その点、伊豆のダイビングスポットは陸からちょっと入っただけで深さのあるところまで足を延ばすことができますし、色々な地形があるので、深さも様々なものがあります。これは多様な地形を持っている伊豆のダイビングの特長と言えるでしょう。

陸から近いところでダイナミックに地形が変化するので、砂浜からダイビングを始めるビーチダイビングで十分にちょうど良い深さの場所まで行くことができます。もちろん、ボートダイビングも伊豆にはありますが、それは沖合いに出るということよりも、通常はダイバーが近づくことができない海岸線でダイビングをする、といった意味合いが強いのです。

ダイナミックな地形は伊豆でダイビングをするものにとって手軽さをもたらしてくれています。

多様であることを楽しむ

ダイナミックな地形をしているというだけでなく、ダイビングスポットが比較的陸から近いところにあるのが特長ということはこれまで述べてきたとおりです。

 
今度はダイナミックな地形をどのように楽しむかを考えてみたいと思います。

 
伊豆半島のダイビングスポットは砂浜のあるビーチからボートダイビングで海流のある沖合いのダイビングまで様々なものがあります。いずれのダイビングスポットも他にはない特長があり、そして同じダイビングスポットの中でもダイナミックで多様なスタイルが楽しめます。

例えば、伊豆ダイビングのメッカである伊豆海洋公園(IOP)では、海に入ってからしばらくは10m程度の浅瀬が続いており、色鮮やかなキンギョハナダイやソラスズメダイなど、浅瀬で生息する魚を見ることができます。
 

しかし、ほんの少しだけ沖合いに出ると15mほどからは大きな美しい砂地が広がっています。そこでは砂地に生息するエイ、ヒラメなどを観察することができます。

 
そして、左右に移動するとそこでは陸から海に突き出した岩の地形(根と呼ばれている)を見ることができます。岩の地形は先端にいくほど深くなっていて、浅いところは5mくらいから、深いところでは30mくらいまで深さがあります。このような岩付近のダイビングでは岩の深さに沿って異なる生物を楽しむことができます。

浅いところで生活をする魚や水性生物と、中間くらいの深さで生活をする生物、深いところで生活をする生物は異なるのです。

どちらかと言えば、浅いところから中間くらいまでの深さが魚影がもっとも濃く、賑やかな雰囲気です。深くなればなるほど、魚影は減りますが、深いところにしかいない特長的な魚もいるのです。いずれにしても一つのダイビングスポットで、一つのエントリー場所(海に入っていく入口のこと)からこれだけ多様なダイビングが楽しめるのは伊豆の特長と言えるかもしれません。

 
ちなみに最近、伊豆海洋公園を騒がせているのはイルカです。浅瀬から中間くらい、海に入ってほど近いところで何とイルカに出会えるそうです!イルカに伊豆で何回かあったことはありますが、普通は沖合いのボートでしか見れないので、これほど近いところで見れるって伊豆ってすごいなと改めて感心しています。

伊豆で楽しめる多様なダイビングスタイルについて簡単にご紹介しました。

如何でしたか。ダイナミックな地形が織りなす多様な伊豆のダイビングをこれからも楽しんでいきたいと思います。