伊豆らしいダイビングといえば、やっぱり漁船!

ボートダイビングという選択肢

伊豆のダイビングといっても様々なスタイルのダイビングがあります。ビーチから水中にはいるビーチエントリーのダイビング、ボートから水中に入るボートダイビング、流れに乗っていくドリフトダイビング、夜に潜るナイトダイビング、洞窟の中を探検するダイビング、沈潜の中などを泳ぐレックダイビング。伊豆ではこのような多様なダイビングスタイルが楽しめます。

今回はその中でも伊豆のボートダイビングについて書いていきます。

まず、そのまえにダイビングとエントリー方法の選択についての基本を考えてみます。
ダイビングで魚影が濃いとされる水深は水深20m付近までとされていてダイビングに適正な水深は30m程度とされています。伊豆ではビーチから少し入るだけで水深が20mを超えることが多いのです。つまり、伊豆のダイビングの特徴はそのダイナミックな地形であり、深さや地形の違う場所に多様な魚たちがいて、それを楽しむことができます。

そのような地形を持った伊豆のダイビングですから、ビーチから歩いて入るビーチエントリーダイビングが基本。とっても安全に水中に入っていくことができます。

ただ、ダイビングにはボートダイビングという選択肢があります。

ボートダイビングの魅力は、ビーチからは行けない手付かずのポイントに行けることや、ドリフトダイビングなどように流れにのってダイビングするという方法が楽しめることです。一般にビーチの付近には熱帯魚などを含む小さい魚たちが多く、流れのある海流が当たりやすくなるビーチから離れた場所には大型の回遊魚が増えていく傾向があります。従って、ボートダイビングではビーチとは違った魚たちが見れることになります。また、ビーチとは違って人間の手があまり入っていない場所を潜ることができますので、魚や海の植物も自然のままで悠々自適に過ごしている姿を見ることができます。

ちょっとした特別感。これがボートダイビングの最大の魅力と言えるでしょう。

漁船でボートダイビング

ワクワクしちゃうボートダイビングですが、世界でも例を見ない?伊豆ならではのボートダイビングといえば、「漁船」を使ったボートダイビングなのです。

そう「漁船」です。漁師さんの船です。

ダイビングでボートというと、海外のリゾートでよく見られるスピードボートや水上観光船、ダイビング専用のクルーズ船のイメージが強いのではないでしょうか。そういう船を出しているところも、伊豆にももちろんあります。伊豆は漁船じゃないとボートダイビング禁止!とはなっていないので(笑)しかし、いくつかのポイントでは漁船をつかってのボートダイビングが行われているのです。

なぜ漁船を使ったボートダイビングなのか。

伊豆の20箇所以上のダイビングスポットは基本的にその地元の漁港にあります。いくつかのダイビングスポットでは地元の漁業協同組合の皆さんがダイビングセンターを運営されている場合があるのです。ですから利用する船も漁船になることがあってもおかしくないですね(笑)。

漁船の船長さんの合図で船に乗り込み、合図で海に飛び込む。まるでダイビングではなくて漁に行く気分(笑)
そんなミスマッチがとっても魅力的です。

漁師の船長さんの魅力

ただ、実は漁師の船長さんが案内してくれることには大きなメリットがあります。その一つは、地元の伊豆の海を知り尽くした海のプロフェッショナルであるということ。
ボートダイビングでは場所を正確に掴み案内する技術などが非常に重要になります。その点、海のプロフェッショナルである漁師の方が、ボートを操船してくれるのはとても安心なのです。

そしてもう一つのメリットは、安全性です。ビーチと異なり、流れのあることも多いボートダイビングでは、ダイバーの動きを見ながら船を操作し、安全に船に戻ってきてもらうことが必要になります。
その点、伊豆の海流や波の動きなど知り尽くしている伊豆の漁師の皆さんですから失敗はありません。何より漁師さんは日々海での安全作業に最新の注意を払って作業されている方ばかりなので、とっても安心なのです。

漁船はボートダイビング用の船ではありませんが、もちろん波にも強い設計です。普段は漁師の船長さんたち。もちろん、船の船長さんによって雰囲気がちょっと違ったりします。優しく話しかけてくれる人、ちょっと強面だけど実は優しい人など、ダイビングを生業にしている人ではないけど、そこには新しい出会いがあります。だって、普段漁師さんと出会うことないでしょう?(笑)

ダイビングという場にいろんな人がいる。それも伊豆のダイビングの特徴なのかもしません。

ところで、伊豆で漁船に乗ってダイビングに行くと、魚を見にいくというよりも魚を獲りに行く気分になってしまうところが難点です(笑) 男性はまさに海のオトコの気分、女性はかわいい海女ちゃんになった気分になってしまうことでしょう。

伊豆の漁船でのボートダイビングはその楽しみ方があり、スピードボートやクルーズ船はその楽しみ方があります。
どちらも体験しておくことで、自分のダイビングの幅を広げられるだけでなく、あなたのダイビングの思い出に残る1ページが作れるのではないでしょうか。